授業5回目(7/2)

 

鈴木 幸光
鈴木 幸光
7月になりました。これからの蒸し暑い時期、特に気をつけたいのが「熱中症」です。
「熱中症」は、梅雨の合間の気温が高い日や、梅雨明けの蒸し暑い日など、この7月から8月が発生のピークとなっています。運動時に限らず、自宅で普通に過ごしているときなどにもよく発生していますので、熱中症にならないように理解を深めましょう。まずは、以下のQ&Aから取り組んでみてください。
 
 
Q1: 熱中症を疑う症状は?
A: めまい・頭痛・吐き気・大量の発汗・意識障害・けいれん・失神・筋肉痛・筋肉の硬直・不快感・嘔吐・倦怠感・虚脱感・手足の運動障害・高体温など
 


Q2: 熱中症になった場合、顔の額を集中的に冷やすのが効果的?
A: ×
 
太い静脈がある部位を冷やすのが、最も効果的です。 脇の下、首、脚のつけ根 などを、保冷剤や氷枕(なければ自販機で買った冷えたペットボトルや缶)をタオルなどでくるんで当て、皮膚を通して静脈血を冷やすことで、体内を冷やすことができます。
熱が出た時に顔の額を冷やすシーンをよく見かけますが、これには体をすぐに冷やす効果はありません。


Q3: 熱中症は、暑さを防げば起きない?
A: ×
 
熱中症の原因は、暑さだけではありません。

熱中症の危険度を判断する数値として「暑さ指数WBGT湿球黒球温度)」があります。
暑さ指数(WBGT)とは、 ①気温、②湿度、③輻射熱 (ふくしゃねつ)の3つを取り入れた温度の指標です。輻射熱とは、地面や建物・体から出る熱のことです。

暑さ指数(WBGT) =  気温の効果:湿度の効果:輻射熱の効果  1:7:2

特に湿度が大きな割合を占めています。湿度が高い場所では汗が蒸発しにくいので、身体から空気へ熱を放出しづらく、熱中症になりやすくなります。暑さ指数(WBGT)が28℃(厳重警戒)を超えると熱中症患者が著しく増加するというデータがあります。
 

 
各地の暑さ指数(WBGT)は、こちらで確認できます。


 

熱中症とは

熱中症とは体の中の熱の生産と放出のバランスが崩れて体温が異常に高くなり、体に不具合を生じた状態をいいます。高温、多湿、風が弱い、熱を発生するものがあるなどの環境下では、体から外気への熱の放出量が減少し、汗の蒸発も不十分となるため、熱中症が発生しやすくなります。
また、熱中症は屋外にいるときだけでなく、気密性の高い室内でも発生しますので注意しましょう。
 

熱中症の症状は?

熱中症になると、大量の発汗、めまいや立ちくらみ、熱けいれん(筋肉痛、こむら返りなど)が起こります。さらに症状が進むと、頭痛、吐き気、嘔吐、倦怠感といった症状が出てきます。
そして重症化してしまうと、高体温、全身のけいれん、意識障害などが起こり、死に至ることもあります。

熱中症の4つの病型
熱中症は暑さによって生じる障害の総称で、熱射病、熱疲労、熱失神、熱けいれんなどの病型があります。激しい運動時で主に問題となるのは「熱射病」と「熱疲労」です。

熱射病

過度に 体温が上昇(40°C以上)して脳機能に異常をきたした状態 です。体温調節も働かなくなります。意識障害がみられ、応答が鈍い、言動がおかしいといった状態から進行すると昏睡状態になります。高体温が持続すると脳だけでなく、肝臓、腎臓、肺、心臓などの多臓器障害を併発し、死亡率が高くなります。死の危険のある緊急事態であり、救命できるかどうかは、いかに早く体温を下げられるかにかかっています。救急車を要請し、速やかに冷却処置を開始する必要があります。

熱疲労
 発汗による脱水と皮膚血管の拡張による循環不全の状態 であり、脱力感、倦怠感、めまい、頭痛、吐き気などの症状がみられます。スポーツドリンクなどで水分と塩分を補給することにより通常は回復します。嘔吐などにより水が飲めない場合には、点滴などの医療処置が必要です。

熱失神

炎天下にじっと立っていたり、立ち上がったりしたとき、運動後などに起こります。皮膚血管の拡張と下肢への血液貯留のために血圧が低下、脳血流が減少して起こるもので、めまいや失神(一過性の意識消失)などの症状がみられます。足を高くして寝かせると通常はすぐに回復します。

熱けいれん

汗には塩分も含まれています。大量に汗をかき、水だけ(あるいは塩分の少ない水)を補給して血液中の塩分濃度が低下したときに起こるもので、痛みをともなう筋けいれん(こむら返りのような状態)がみられます。下肢の筋だけでなく上肢や腹筋などにも起こります。生理食塩水(0.9%食塩水)など濃い目の食塩水の補給や点滴により通常は回復します。


 

熱中症になりやすい環境


 
 

予防するにはどうすればいいのか

熱中症にならないために、次の対策をとって予防するようにしましょう。
また、環境省・厚生労働省が発表している熱中症予防の画像2点もあわせて確認ください。

暑さを避けよう
まずは暑さを避けることです。日差しが強く蒸し暑いときには外出を避けるか、なるべく外出時間を短くするようにしましょう。
外出のときには、帽子の着用などで 直射日光を避け、長時間炎天下にいることは避けましょう 。服装も吸汗や速乾素材のものや、熱を吸収する黒色系より熱を反射する白色系のものがお勧めです。
また、室内にいるときでも、カーテンなどで直射日光を防ぎ、風通しをよくしたり、エアコンや扇風機で部屋の気温や湿度を下げるようにすることが大切です。

こまめに水分補給を
「水分をとりすぎると汗をかきすぎたり、体がバテやすくなるのでよくない」という考え方もありますが、これは間違いです。汗をかくことにより、体から気化熱が奪われ体温を下げる効果があります。
水分補給には、汗をかくことで失った血液中の水分やミネラルを補給することができるスポーツ飲料などがおすすめです。
 
十分な体調管理を
熱中症は、暑くなりはじめや、急激な気温上昇などで体温の調節が難しいとき(暑い環境に体が十分に対応できていないとき)に発症しやすくなります。
また、熱帯夜の翌日などで 睡眠不足  疲れがたまっているとき  運動不足のとき  病気や体調の悪いとき は、熱中症になりやすいため注意が必要です。
 
暑い日が続くと体が慣れて暑さに強くなります。暑い環境でも体温が調節でき、かつ維持できるような状態を「暑熱順化」(しょねつじゅんか)といいます。 適度な運動等で汗をかく習慣を身につけておけば、暑さにも対応できるようになります 。普段から規則正しい生活を送るとともに適度な運動も心がけるようにし、夏を元気に乗りきりましょう。

 
運動の指針
気温
(参考)
暑さ指数
(WBGT)
熱中症予防運動指針
35℃以上 31℃以上 運動は原則中止。特別の場合以外は運動をしない。
31~35℃ 28~31℃ 熱中症の危険性が高いので、激しい運動はしない
10~20分おきに休憩をとり水分・塩分の補給を行う。
体力の低い人、肥満の人や暑さに慣れていない人は運動を軽減または中止。
28~31℃ 25~28℃ 熱中症の危険が増すので、積極的に休憩をとり適宜、水分・塩分を補給する
激しい運動では、30分おきくらいに休憩をとる。

(公財)日本スポーツ協会「スポーツ活動中の熱中症予防ガイドブック」(2019)より

熱中症の症状が見られる人がいた場合には!?

 


 

本日の課題


少しずつ暑さにも対応できる体にするために、また無理のない範囲でウォーキングを行いましょう。
今回は歩くコースを少し変えてみたり、気分が落ち着きそうな道を選んだりしてウォーキングを楽しみ、心身をリフレッシュさせましょう。
そして、目に留まったシーン、印象に残った風景などを撮影して送ってください。
涼しい時間帯を選んでウォーキングしても構いません。
 30分以上 を目安に行い、適度に汗をかきましょう。


* 人が密集している場所を避け、なるべく静かなエリアを歩きましょう。
* 人と十分に距離をとっているときや、少しでも息苦しいと感じるときには、マスクを外して歩きましょう。
* 出席フォームの回答は3日以内に送信してください。

 
 
* 画像が複数ある場合は、こちらのフォームでGoogleにログインして送信ください。またはメールに添付での提出でも構いません。
 
 

 
(私も1時間ほど公園などを歩いてきました。)